世界最古の國の物語
神々の器・世界観
~View of the world〜
わたくしがものづくりをしていて常日頃思うこと、それは
『人によって個性がある様に、国や地域によってもまた、考え方や作り上げて来た「形」と言う物にずいぶんと違いがあるのだな~』
と言う事です。
信じている神様や暮らしている地域、気候によっても千差万別、当然違った用途と歴史を持つ様になります。
それぞれの文化が、それぞれの固有の世界観を創造し産み出して参りましたが、とりわけ私達日本人には独特の価値観を持って作り上げて来た文化がある様に思ます。
日本の伝統文様
和柄の持っている
本来の意味
焼物に施されております『和柄』と言われるものにも本来は意味を持って成立しております。
これらは単に、『オシャレ』な嗜好や『ファッション』、またはデザインとは違い、ある『目的』や『願い』を成就するための文様であったり、『災害』や『疫病』から身を守る為の『祈り』が込められた形でありました。
心理学の世界でも、『予言の自己成就』
と言う言葉がありますが、
『自分が思った事が現実化してしまう』
と言った現象があります。
「言霊」の力をとりわけ敬う私達日本人は、
特にその様な想いが強かったのではないでしょうか。
機能としての
用の美ではなく
精神としての
『用の美』
現代におけるものづくりの在り方には、『民藝』やクラフト系の生活用品などに代表とされる、用途から産み出されて来た健康的な『用の美』と言う系統と、
もう一つはそれらをさらに工業化し、モダニズムの素となる機能から来る合理性を追求した『機能美』と言うおよそ二つの文脈から成り立っていると捉えることが出来ると思います。
わたくしはこれらの表現に対し、更に、「想い」の用途を加味した『精神の用の美』と言う形の物づくりの在り方と言うものも、現代のわたくし達の生活には必要なのではないか❓
と想いを馳せておりました。
身土不二とは
私はかつて、自身の身体の不調から漢方の治療にかかった経験がございます。その時に得た経験がわたくしにとりましては、まさに目から鱗でありました。中国の思想には「天人合一」と言う考え方があり
『天と人とは理を媒介にして一つながりである』
と言う考えです。
人は自然の理に則して生きることが一番の健康であり、それから離れれば離れる程、病気となっていきます。
また、仏教の思想には『身土不二』と言う言葉があり、「人間の体と人間が暮らす土地は一体で、切っても切れない関係にある」という意味で、わたくし達が糧として口にするものにおいても「その土地のものを食べ、生活する事が一番身体によい」という真理を知りました!
これらは我々ものづくりにおきましても言える事で、その土地の材料を使い、その土地の風習や用途に応じて育まれて来た『伝統』と言うものが一番効果・効能が高く、健康的で健やかな生活を形作って行く物である、と思われます!
わたくし達日本人のそれは、欧米諸国や世界各国とは明らかに違う文脈に則った『精神の文化』と言う物を持ち合わせております。
以来私は東洋思想である陰陽五行や風水と言ったものに強く興味を持ち始めました。
それらの文化、風習、歴史、思想を踏まえた上で
わたくしなりの世界観を作り上げたいと言う想いがこのブランドのコンセプトを生み出す素となっております。