大祓(おおはらえ)は日本人の伝統的な考え方に基づくもので、「常に清らかな気持ちで日々の生活にいそしむ」よう、自らの心身の穢れや災厄の原因となる諸々の罪・過ちを祓い清めることを目的としています。
この行事は、古事記や日本書紀に見られる伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらえ)を起源とし、宮中においても古くから行われてきました。
年に2度行われ、6月の大祓は夏越(なごし)の祓、12月の大祓は年越の祓とも呼ばれます。
~神社本庁HPより~
「水無月の夏越し祓いする人は千歳の命延ぶというなり」という和歌は、夏越しの大祓(おおはらえ)に参加することで、長寿や健康が得られるという意味を伝えています。
この和歌に出てくる「水無月(みなづき)」は6月を指し、「夏越しの祓い(なごしのはらえ)」は、半年に一度行われる大祓いのうち、特に6月に行われるものです。この時期の大祓いは、夏の厳しい暑さに向けて心身を清めるための重要な行事とされています。(私達の地域の伊万里市では、旧暦で7月に行われます)
和歌の中の「千歳の命延ぶ」という表現は、千年もの命が延びるほど長寿や健康がもたらされる、という意味です。これは比喩的な表現であり、大祓いに参加することで、その人の人生において幸福や健康がもたらされると信じられています。
大祓いの儀式自体は、茅の輪くぐりや人形を使った穢れ祓いなどを通じて、心身の穢れを取り除くことを目的としています。この行為が古くから続けられているのは、単に神道の儀式としての側面だけでなく、人々が心身をリフレッシュし、新たな気持ちで生活を再開する機会としても重要だからです。
夏越しの大祓い
さらに、大祓いの際には「大祓の祝詞(おおはらえののりと)」が唱えられます。この祝詞は、日本の神々に対して、参加者たちの罪や穢れを祓い清めるよう祈る内容が含まれています。
祝詞の中では、古代の神話に基づいた言葉や、自然や人間の行動に起因する穢れの種類が挙げられ、それを取り除くことが祈願されます。
この祝詞を聞くことで、参加者は神聖な雰囲気の中で心を清められると同時に、祝詞に込められた願いが神々に届くと信じられています。
このように、大祓いは心身のリセットや健康祈願の意味を持ち、和歌にあるような長寿や健康の象徴として受け継がれてきた伝統的な儀式です。また、大祓の祝詞はその儀式の中心的な要素であり、参加者の心を清めるための重要な役割を果たしています。
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